コーヒーの果実を生豆にする方法の一種で生豆にする過程で水洗いすることから、水洗式(ウォッシュト)と呼ばれています。
コーヒーの果実を生豆にする方法には、水洗式、非水洗式、半水洗式があります。水洗式の方法は、まずコーヒーの果実を収穫したら、熟しているものと未熟なものを選別するために、水に1日つけます。そこで浮いてきた果実は未熟で、風味が備わっていないので、除去されます。その後、外皮と果肉を機械により除去します。それから、発酵槽という水槽に数日間つけ、種子の周りについている果肉やパーチメントを分解します。このときに、種子の周りについている粘液質などの残りカスを取り除くために水で洗います。その後乾燥させて内果皮を取り除いてコーヒー豆が完成します。
このように一つ一つの工程で不純物や欠点豆を取り除いていくため、水洗式を用いると、欠点豆の混入を防ぎ、見た目に同じものがそろいやすく、商品価値が高くなります。
しかし、それぞれの過程できちんと品質管理をしていないと、発酵臭が残ってしまうことがあります。
水洗式で精製した豆は、酸味と渋みが目立つ傾向にあります。これは乾燥する期間が短いためといわれています。しかし、豆をカレントクロップになるくらいまで寝かせておくなどの工夫をすることで、ある程度味を落ち着かせることもできます。
水洗式は伝統的に非水洗式を採用しているブラジル以外のアラビカ種を生産する国で採用されています(一部ではブラジルでも水洗式を採用しています)。