ロブスタ種は、正しくはコンゴ原産のカネフォラ種の変異種で、カネフォラ種ロブスタといいます。日本語での学名はロブスタコーヒーノキです。1895年に発見され、病害虫に強く高温多湿の気候にも順応し、成長も早くて収穫も多いため、さび病に弱いアラビカ種の代わりに注目されるようになりました。この病害虫に強い特性から、「強靭」という意味を持つRobustから命名されました。
主に東南アジアとアフリカの一部で栽培されており、ベトナム、インドネシアが有名です。ロブスタ種は、世界のコーヒー豆の総生産量の2~3割を占めています。
豆の形はアラビカ種に比べると丸みがあります。
カフェインやクロロゲン酸の含有量が高く、煎った麦のような香ばしさ、苦みと渋みが強く、酸味が弱いのが特徴です。フレンチローストやイタリアンローストなどの深煎りで、インスタントコーヒー用として用いられたり、高価なアラビカ種のコーヒーの増量をするためにブレンド用として用いられたり、病害虫への耐性を持たせるためにアラビカ種との交配に用いられたりします。特有の泥臭さのような風味があるため、ロブスタ種だけのストレートコーヒーを飲むことはあまりありません。2~3割程度の配合であれば、気にならず、アラビカ種の風味を引き立てることができるので、ブレンドされることが多いのです。イタリアでもエスプレッソのブレンドとして1割ほど配合されることがあります。