マンデリンとは、インドネシアのスマトラ島の一部の地域で栽培されているアラビカ種のコーヒー豆の銘柄です。
インドネシアでのコーヒー栽培は、1696年にオランダ軍がジャワ島にアラビカ種を持ち込んだことが、始まりといわれています。プランテーションなどで全国に広がり、世界的にも生産量の高い国になっています。しかし、1908年にさび病が流行した際に、多くのアラビカ種が被害を受けてしまいました。
その中で、辛うじて病害に耐えたアラビカ種を基にして、スマトラ島のマンデリン族が主導して栽培したものがマンデリンです。インドネシア国内での生産量は数%に過ぎず、希少価値や品質から、今ではトラジャと並ぶ高級銘柄として知られています。栽培されている地域により、「リントンマンデリン」や「マンデリントバコ」といった銘柄があります。また、マンデリンを栽培している農家のほとんどが、ハンドピックによる欠点豆の除去や有機栽培などで高い品質管理を行っているとされています。
マンデリンは、酸味が少なく苦みの強い豆であるため、コクがあるといわれます。また、単一で飲まれることもありますが、ブレンドにも適しています。飲み方はストレートのほか、カフェオレにも向いています。焙煎度はシティローストやフルシティローストなどの中深煎りが適しています。脂っこい食事の後や、濃厚なケーキと一緒にいただくと一層引き立ちます。