生豆は、コーヒーノキから採取される種子のことで、焙煎をする前の生の豆の状態を指します。きまめと呼びますが、コーヒー業界においては「なままめ」と呼ばれることの方が多いです。また、グリーンコーヒーなどとも言います。
生豆は、コーヒー豆から外皮と果肉と内果皮、銀皮を取り除いた状態で、正確には胚乳と胚芽を合わせた状態になります。
生豆は新鮮なときほど緑が強く、時間の経過とともに黄褐色になっていきます。しかし、一概に新鮮であることがいいとは限りません。時間が経過するとコーヒー豆から水分が抜けていきます。水分が多いと焙煎時に火が通る前に表面が焦げてしまうといったばらつきが多くなるのに対し、含有する水分量が少なくなれば、焙煎時にも安定した品質を保つことができます。
また、コーヒー豆の香りも、新鮮な状態の方が強くストレートに香ります。つまり、悪いものはより悪く感じてしまうこともあるということです。そのため、個性的という言葉が使われることがありますが、水分が抜けた状態の生豆は、香りの強さが弱まります。このため、味に落ち着きがある飲みやすいコーヒーになります。
生豆は収穫された年度によって、ニュークロップ、カレントクロップ、パーストクロップ、オールドクロップの4つに分類されます。
ニュークロップは、その年度に収穫されて出荷されたコーヒー豆のことです。一般的にコーヒーの収穫は10月に行われることが多いため、10月1日を収穫年度の開始日として計算されます。
カレントクロップは、その年度に収穫されてはいますが、10月以降になってしまった豆のことを指します。また、ニュークロップと同義であることもあります。
パーストクロップは、前年度に収穫されたコーヒー豆を指します。
オールドクロップは、パーストクロップよりもさらに前に収穫されたコーヒー豆の総称です。また、パーチメントコーヒーの状態で数年保管していたものの銘柄として使われることもありますが、現在ではほとんど用いられません。