キリマンジャロ(kilimanjaro)とは、アフリカ大陸にあるキリマンジャロ山のことをいいます。キリマンジャロはケニヤとの国境に位置します。この付近は、年間で1200ミリを超える降雨があり、火山灰による肥沃な土壌は、コーヒーの栽培に適しています。
タンザニアにあるキリマンジャロ山域付近で栽培されているコーヒーノキから収穫されるコーヒー豆は、キリマンジャロのブランド名が冠せられます。品種はアラビカ種で、生豆は緑灰色で大粒で、強い酸味と甘い香り、コクが特徴です。よく「野性味のある味」という言われ方をします。1993年実施の「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」によると、キリマンジャロというブランドは、タンザニア産すべての水洗式アラビカ種コーヒー豆につけることができるとされています(無洗の豆はキリマンジャロと名乗ることができません)。
キリマンジャロにコーヒーノキを持ち込んだのはギリシャ人と言われています。1890年代に、東アフリカを植民地化していたドイツは、コーヒーノキの栽培を計画しており、東ウサンバアでプランテーションを始めました。しかし環境や人手の問題で失敗し、その後、キリマンジャロ山域でプランテーションを行うようになりました。
キリマンジャロはタンザニアでも高品質のコーヒー豆の生産地とされていますが、世界的には決して人気があるわけではありません。そんな中、日本でキリマンジャロがもてはやされるきっかけとなったのは、ヘミングウェア原作『キリマンジャロの雪』だといわれています。今ではドイツに次ぐ、タンザニアコーヒーの輸入国となっています。
キリマンジャロは、あと味の残らない上質な酸味のため、ストレート、ブレンドどちらでもおいしく飲むことができます。キリマンジャロの中でも特に品質が高いものは、「AA」などとランクが書かれています。AAは高品質を表すランクで、より酸味が強く感じられます。