アロマとは、芳香のことで、英語ではaromaと表記します。
コーヒーにおけるアロマとは、飲む前に鼻で感じる香りと、飲んだときに、喉から鼻に抜ける香りの2種類を指します。前者は鼻腔香気といい、後者は口腔香気といいます。これら2つの要素がコーヒーのアロマを構成しています。それはすなわち、甘み、苦み、酸味、渋み、濃度、温度です。
コーヒーは生豆の状態ではあまり香りがありませんが、焙煎することで、香気成分が増し、800以上もの成分が含まれていると考えられています。焙煎の過程において、メイラード反応(窒素と糖の反応)、アミノ酸の分解、カラメル化反応、クロロゲン酸の分解などが行われます。特にその過程で生じる、フラン化合物やピロール、チオフェンなどは、コーヒー豆のキャラメルや甘い香りの元となっています。
コーヒーの香気成分には以下のものがあります。
成分 | 特徴 |
β―ダマセリン | 蜂蜜のような香りで原やコーヒーの香気成分の一種。 |
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2―フリフリルチオール(フリフルメルカプタン) | 焦げたような香ばしい、ロースト香の成分。 |
3―メチル―2ブデン―1―チオール | ロースト香に関係する成分。 |
2―イフォプチル―3―メトラキシピラジン | 青臭く、土っぽい香り。 |
5―エチル―4―ヒドロキシ―2―メチル―3(2H)―フラノン(ホモフラネオール) | カラメルのような甘い香りの成分。醤油や味噌にも含まれる。 |
グアイアコール(グアイヤコール) | 煙のようなスパイシーな香りで、焙煎後のコーヒー豆に含まれる。 |
2―3―ブタンジオン(ジアセチル) | パンをトーストしたときに発生するバターやチーズのような香り。 |
2―3―ペンタンジオン | バターやチーズのような香りだが、揮発性が高い。 |
メチオナール | ジャガイモやサツマイモや和栗に含まれる香気成分。 |
2―イソプロピル―3―メトキシピラジン | 土のようなロースト香で、ピーマンなどが持つ特有の香り。 |
バニリン | バニラの香り成分。 |
4―ヒドロキシ―2.5―ジメチル―3(2H)―フラノン(フラネオール) | 香ばしくて甘い、カラメル様の香り。パイナップルやストロベリーにも含まれる。 |
2―エチル―3.5―ジメチルピラジン | アーモンドのような香気。 |
3―ヒドロキシ―4.5―ジメチル―2(5H)フラノン(ソトロン) | メープルシロップ、カラメルのような香り。コクの元となる成分。 |
4―エチルグアイアコール | 燻製や香辛料のような香り。 |
5―エチル―3―ヒドロキシ―4―メチル―2(5H)―フラノン | メープルシロップやカラメルのような香りで、コクの元となる成分。 |